株式・公社債などの投資信託、ETF・REIT・MMFなど投信金融商品の入門ガイド

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「フルインベストメントを基本とする」とは?


■投資信託の種類・タイプ
ハイ・イールド・ボンド・ファンドとは
為替ヘッジを行わない投資信託のメリット・デメリット
ミリオン型投資信託とは
中期国債ファンドとMMFの違いは
グローバル・ファンドとは
エマージング・マーケットとは
ソブリン債とは
私募投資信託(投信)とは
バランス・ファンド、バランス型投資信託とは
会社型投資信託と契約型投資信託の違いは
リスク限定型投資信託とは
物価連動国債ファンドとは
投資事業組合と投資信託は、どう違うのか

■投資手法
システム運用とは
クオンツ運用とは
「フルインベストメントを基本とする」とは
ファンド・オブ・ファンズとは
モーニングスター社会的責任投資株価指数=MS-SRI

■投資信託運用会社の仕組み
アナリストとは何をしているのか
ファンドマネジャーとは何をしているのか
トップダウン・アプローチとは
ボトムアップ・アプローチとは

■投資信託の手続き
投資信託=ファンドの乗り換え(=スイッチング)とは
クローズド期間とは
ラップ口座とは
投資信託を購入する時に「証拠金」は必要なのか

■投資信託の運用と評価
公社債投信のリスクが株式投信より低いと言われる理由
投資信託の基準価額が変動するリスク要因は
組入比率が100%を超えている投資信託とは
公社債投信の信託報酬が株式投信よりも安い理由
「オーバーウエイト、ニュートラル、アンダーウエイト」とは
投資信託の純資産総額は大きい方がよいのか
投資信託の超過リターン(超過収益)とは
「分配金を再投資する」とは

「フルインベストメントを基本とする」とは


 投資信託の目論見書やパンフレットなどに、その投資信託商品の運用方針として「フルインベストメントを基本とします」、という記載がされていることがあります。これは、いわゆるキャッシュポジション=現金資産を残さないで、有価証券の組入比率を高い水準で維持する方針であることを意味しています。

 ファンドの資産(資金)をフルに投資する、つまり、現金比率をできるだけ抑えて、ファンド資産の100%近くまで投資有価証券を組み入れるということです。

 投資可能な資金を寝かせることなく、出来る限りフルインベストメントに近い状態で投資対象に投資した方が、効率的な投資ができます。例えば、100億円の資金を持つ株式投資信託がそのうち60億円しか株式には投資していない状態であれば、残りの40億円は現金として保有されていることになります。この40億円は短期のマネーマーケットなどから得られる、小額の金利収入しか期待できません。

 この例で株式の運用リターンが5%、短期マネーマーケットの金利が1%だとすれば、フルインベストメントであれば、投資運用益は5億円となります。一方、60億円しか投資しなかった場合には、3.4億円のリターンにしかなりません(0.4億円は短期マネーマーケットからの金利収入)。

 このように、「フルインベストメント」は、そうでない状態と比較して、運用益が発生する場合にはその利益額が大きくなりますが、反対に市況が悪い時の損失額も、利益額の大きさと同じように大きなものになります。決してフルインベストメントという投資スタイルが、推奨されるものではありません。

 フルインベストメントを基本にしているファンドでありながら、組入比率が70〜80%程度と低い場合には、何らかの理由があってそういう状態になっていることが想定されます。

 例えば、ファンドの解約が多く、解約に対応するために組入れ有価証券を売却して現金で保有している場合などがこのケースに該当します。



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